刃物の町 岐阜県関市

  1. 刃物の町 岐阜県関市

800有余年の伝統と歴史

刃物の町 関市

日本のほぼ中央に位置する岐阜県関市は、緑あふれる山々に清らかな川、美しい自然環境に恵まれた「刃物のまち」です。関市で刃物作りが始まったのは、今から800有余年前の鎌倉時代のこと。

元重という刀祖がこの地を訪れた際に、刀の原料である良質な焼刃土を発見し、後に移り住み刀剣鍛冶を始めたのがきっかけだと言われています。
関の刀は「折れず、曲がらず、よく切れる」の優れた実用性と芸術性の高さで、多くの武将たちに愛用されました。

その後、時代の流れとともに、刀匠も包丁や鎌など生活に必要な刃物を打つようになり、商人たちとの取引が始まりました。明治9年(1786年)の廃刀令後は、ほとんどの刀鍛冶が包丁などの家庭用刃物の生産に転向し、明治時代中頃には欧米から入ってきたポケットナイフの生産も始まりました。

高い品質とデザイン性に富む刃物の産地である関市は、イギリスのシェフィールド、ドイツのゾーリンゲンと合わせて「刃物の3S」と呼ばれるようになりました。現在では海外への輸出が4割を占めており、関の刃物は世界に誇るブランドとして認められています。

刃物祭り

毎年10月に開催される刃物祭り。全国各地から刃物業者が集まり包丁・ナイフ・ハサミ・カミソリなど刃物類がほとんど購入することができます。普段では見られない古式日本刀鍛錬の見学や、包丁研ぎサービスなどが行われており多くの観光客でにぎわいます。

刃物供養祭

毎年11月8日(いい刃の日)に開催される刃物供養祭。ケーキカット・テープカット・天皇様への献上物などで必ず使われる刃物は昔から魂を宿すと言われています。この行事で全国から集められた使い切った刃物を供養し再利用します。

古式日本刀鍛錬打ち初め式

正月2日に行われる刀匠による初打ち式。鋼を鍛錬し1年間の盛業と安全を祈願する恒例行事です。